問題の種類

問題の種類を2軸で類型化すると

一日の生活イメージ

 問題とは、「あるべき姿」と「現状」のギャップ(差)のことであると言いました。この点から問題の種類を考えてみましょう。

 問題の種類が明らかになると、問題解決の手順のどこに力点をおくべきかのヒントが得られます。

 ヨコ軸を「あるべき姿」とし、「具体的」と「曖昧・あやふや」に分けます。タテ軸は「現状」として、「顕在化」と「潜在化」に分けます。

ヨコ軸もタテ軸も「見えている」と「見えていない」に分けています。するとタテヨコで4つに分けられます。

こうした方法を2軸分析と言います。分けた4つを説明しやすいよう第1から第4象限と便宜上名前をつけました。


 第1象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「具体的」に示されていて、かつ、タテ軸「現状」も「顕在化」していて見えている問題となります。ギャップを認識できてるので、公知の問題、発生型の問題などと言われます。

 第2象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「曖昧・あやふや」だが、タテ軸「現状」は「顕在化」し見えている問題となります。国の年金問題や、企業においては売り上げが低迷してることに対して方向性が見えていない、生産性の改善はしたいが進め方があいまいな状態といった例が挙げられます。向上問題、設定型などと呼ばれている問題です。あいまいな将来(未来)への対応の問題を扱います。

 第3象限は、ヨコ軸「あるべき姿」は「具体的」に示されていているが、タテ軸「現状」が「潜在化」し見えていなくてはっきりしない問題です。暗黙の問題、隠された問題と言われています。組織のチームワークや感情のこじれなどが要因の問題などになります。

 第4象限は、ヨコ軸「あるべき姿」が「曖昧・あやふや」で、かつ、タテ軸「現状」も「潜在化」しはっきりしていない問題です。未知の問題、創造型の問題などがあります。


第1象限の問題とは

第1象限の問題は、「あるべき姿」が具体的に設定されていて、かつ、「現状」も認識が出来ているので、ギャップが明快に認識できている問題となります。こうした問題は会社や私生活でも日々発生している割合が高いので解決のプロセスも直観的に把握できる場合が多いことが特徴です。第1象限の問題は、主に3つに分類できます。その種類で解決のプロセスの力点が異なってきます。

一日の生活イメージ

障害発生型の問題
 これまで順調に進んでいたことが、外的な要因が障害となって「あるべき姿」の実現が困難な状況が発生する問題です。
 たとえば、仕事である場所へ移動している最中に、「乗っていた電車が事故で止まってしまった」というような問題です。この問題は、原因を考える必要はありません。それよりは、目的の場所に着く代わりのルートですばやく探索して、則行動に移すことが解決プロセスの力点になります。こうした点から、選択の問題とも呼ばれることがあります。同様な問題の例をいくつか挙げてみましょう。
 ・納品した部品に不具合があって生産が止まってしまった
 ・顧客からいわれもないクレームを付けられて騒ぎになった
 ・台風の進路が突然に変わって明日の外出が困難になった
など、自分ではどうしようもない障害による問題です。
 
現状復帰型の問題
 何かの内部的な理由で「あるべき姿」と「現状」の差が出てきてしまった問題です。これは先の障害発生型と良く似ていますが、要因が内部にあるものです。たとえば、生産設備が原因不明の歩留り低下を起し、生産が予定通りできない。コストが悪化している。試験直前に風邪を引いて体調不良になった。などの問題です。この問題は、原因の除去がプロセスのポイントになります。

未達の問題
 この問題は、目標に向けて計画を実行しているのに、予定していた通りに進捗しないため、計画との差を抱えている問題です。「あるべき姿」となる目標や実現計画になんらかの要因を抱えている問題です。当面の対処策の立案と並行して、根本対策を検討することになります。この問題は初期の予兆を早くとらえることが問題を小さく抑えることができますが、遅れると大きな問題になります。

第2象限の問題とは

  第2象限の問題は、向上型の問題とか、設定型の問題などと呼ばれるものです。

「現状」は認識でき明快ですが、「あるべき姿」が曖昧になっている問題です。とはいえ、さきほど述べたように(項を示す)初めから「あるべき姿」が曖昧な問題以前の問題を除けば、なんらかの「あるべき姿」は設定されているが、より高いあるべき姿を目指す事由が発生し新たな「あるべき姿」を設定する必要が起きた問題となります。しかし、まだ、組織やメンバー間で「あるべき姿」が定まらない状態にあります。人によってあるべき姿が異なるので問題のとらえ方もバラバラな状態にあります。例を示します。

一日の生活イメージ

設定型(ストレッチ目標設定型)の問題
 いまの売上を2倍にしたい。品質問題を半減するぞ!。生産性を倍にしよう。あるいはいまの半分のコストで生産できないかなど、よりストレッチなゴールがなんらかの理由で方針として示されたときに発生する問題です。これまで順調に進んでいた計画達成のプロセスを見直さないと達成できないような問題です。したがって、明確な目標づくりや実現手段(解決策)の探索など、問題解決の全プロセスを再検討する必要が出来来ます。仮説設定型の問題解決を進めることもありえます。

設定型(期間短縮型)の問題
 商品開発期間を半分の6か月で実現したい。いまの売上を3か月前倒しで実現したい。クレーム対応は1日で初期解答したい。など、こちらもなんらかの理由で期間短縮が問題になったときのケースです。目標設定型の上がゴール設定に焦点が当たっているのに対し、こちらは実現の期間に焦点が当たっています。

あいまいな将来問題
 当面の活動にギャップはなく問題はないが、社会情勢などの外的な要因から将来への漠然とした不安で何かを改善したいという想いはある。しかし、「あるべき姿」として描けていない問題です。
 潜在新商品のイメージ出来ない。新規の顧客獲得をどうしようか?などです。個人的な問題の方が分かりやすいかもしれません。もうすぐ役職定年になるのだが、その先の会社人生をどうしようか?学生生活ももうすぐ終わるが将来どこに就職しようか決まっていない。結婚したいが相手が見つからない。沢山ありますね。




第3象限の問題とは

 第3象限の問題は、暗黙化された問題とか、隠された問題などと言われます。

 また、私はソフトの問題と呼んでいます。発生しているが「見えていない問題」の状態にあります。「あるべき姿」が設定できているのに、どうして「現状」が見えないのでしょうか? この問題の原因の多くは、会社や管理者にあると考えています。
 上位からの方針や目標に沿って「あるべき姿」は設定されている。現場もそこから現状を見て問題を発見している。しかし、報告しないのです。つまり隠している。なぜなら、そのことを上司に報告すると、叱られたり、不利益な評価を受けるのです。そうしたことが度重なるとそのチームはだれも問題の状況を上げなくなります。
あなたが経験済みの問題で解決手順を知っていて直感の働く問題は図表のように、D-CAPとDoの実行から始めます。

一日の生活イメージ

 こんなことがありました。製品出荷の最終工程でのことです。本来、品質を守る最後の砦なのにそこで不良品を混ぜていたのでした。なぜだと思いますか?その会社では、毎月月末に棚卸をします。そこで在庫の数が帳簿と一致しないと始末書を書かされて叱られるのです。そこで、現場では、数が合わない製品があると、なんと不良で取っておいた製品を員数合わせにこっそり入れていたのでした。

 この問題は、ソフトの問題における文化・風土の問題です。このチームにとっては月末に始末書を書かれないようにすることが最優先する文化が出来てしまった。本来は差がある状態を報告し、なぜ差が生じたのかその事実だけを問題にして次にはどうしたらそれが発生しないかを突き止めていく改善活動を回せたはずです。しかし、上位の人たちは、そのことを起したチームや個人を問題にしてしまったのでした。叱られるから、言わなくて済む状況を勝手に作ってしまったのでした。

 また、技術・能力の問題によっても発生します。現状を感知するやり方や報告の仕方を管理者が教育しないケースです。設計の検証をする仕組みはあってもそこには見かけ上の不具合データがたくさんでるので、本来のエラーを見つけられないために製品になってから問題が見つかりました。品質問題は設計の後段階になるほど被害が大きくなります。特にお客様で不具合が発生すると膨大な品質コストが発生します。
 他、人の不足・属性は、人手が足りなくて手が回らない状態です。

第4象限の問題とは

 第4象限の問題は、未知の問題とか、創造型の問題などと言われます。


 また、私はハードの問題と呼んでいます。この第4象限は、「あるべき姿」も「現状」も漠然としていて捉えにくい状態として存在しています。そのため、問題は、潜在化していて「見えていない」認識できていない状態にあるものとなります。

一日の生活イメージ

こうした問題は、たとえば、これから新しい事業を始めようと計画を立てる段階や、いままで経験したことのない仕事を始めたばかりの段階に漠然とした不安やなんらかの予兆を持って認識されます。他、これまで経験したことのない想定外の事象が突然に発生し、その扱いに戸惑うことになります。その時点では漠然としていたり潜在化している(見えていない)が存在を予測(想定)することで「あるべき姿」や「現状」を具体的にすることで顕在化する問題となります。

 こうしたことから、これらの問題を予測する問題とか、探索する問題と説明することもあります。この問題は解決プロセスにおいては、Plan(計画)などの初期段階の問題意識や問題認識に力点を置くことになります。 
 ハードの問題と定義したのは、こうした問題意識や問題認識を行うための環境として、検討する仕組みやルールが存在しない。あるいはそうしたことを検討する組織が無い。さらには、戦略上の前提としている想定値の置き方に由来する問題ともいえるからです。

 そのため、将来の「あるべき姿」を予測によって描き、明確に予測した将来の姿とそれと対比する現状の姿を比較して、ギャップを抽出作業が重要となります。
 新しい仕事に対して未来を想定してリスクを抽出する問題。すなわち、未来に起こることを創造して発想するので創る問題ともいわれています。


 問題意識が低かったり、問題発見のスキルが不足していると見えてこない問題です。難度が高いので、高い問題意識を持ち、問題発見力を強化する。常にアンテナを高く貼って情報収集する。など取り組む姿勢と体制を整えることも重要です。

 


このエントリーをはてなブックマークに追加