より深い問題の検討

見えている問題を問う(問題の認識を深める)ー販売価格データを元にして

販売計画と実績のデータ

 佐藤さんの問題をもういちど具体的なデータから見てみましょう。

右に詳細な計画と実績のデータを載せています。
興味のある方は参照していただけるとさらに理解が深まります。
(数字を読むのはちょっとという方は、図として無視してOKです)

売上は、総販売数と平均販売価格の掛け算(積)で求められます。

その予実績の差を見ていきます。

総販売数の年初計画は50万個だったのに、実際に販売できたのは40万個で10万個不足しています。売上の未達は販売数のギャップからとわかります。販売価格はほぼ計画通りであったことも認識できました。





差異分析をする

体験学習イメージ

さらに、年初計画と販売実績の販売先の詳細データを見ていきます。

A社への販売数が計画では30万個だったのに、実績は20万個と計画通りにいかず10万個不足していました。それによる販売差異が2億円発生していて、これが本質的な問題(ギャップ)あることが分かりました。

しかも、価格の上でも少額ですが未達(-10百万円)が出ていることもわかります。状況を補足すると、佐藤さんはA社の価格を引き下げ要求に期中で応え、販売価格を下げて計画売数を達成しようと努めましたが、販売数を実現できなかったのです。

佐藤さんの問題を再度まとめると、以下になります。

「A社への販売計画数30万個を予定していたが(あるべき姿)、
 価格の低減要求対応が遅れ販売実績は20万個と(現状)、
 -10万個の未達となった。(ギャップ)」

しかも、未達の要因は価格対応の仕方に原因がありそうです。

このような販売に関する差異分析(経営計数)を用いると具体的に問題や原因の糸口が捉えやすくなります。
ここに示したケースは、わかりやすいように対象を2社に絞りましたが、実際のケースはもっと複雑です。しかし、実力の高い経験者はそのデータを見るだけで、何が問題か把握することができます。(直観的認識力)このような、あるべき姿と現状から問題の深堀をすばやく捉える力量を身につけた人がベテランと呼ばれたりします。


改めて問題を問う(問題設定は難しい)

英語学習イメージ

「A社への販売計画数30万個を予定していたが(あるべき姿)、
 価格の低減要求対応が遅れ販売実績は20万個と(現状)、
 -10万個の未達となった。(ギャップ)」
と問題を定義しました。

では、この問題を出発点にして問題解決の手順を踏むことになるのかというと、そうはいかないのが問題設定の難しい所です。

たとえば、A社に対して現状の1950円の価格をさらに下げて価格対応をしたら、残り2か月で売上1.9億円のギャップ解消を図れるでしょうか?現実問題なかなか難しいと思いませんでしたか?残り2か月で価格を提示し、注文につなげられるか

この事例について、見えていることと、いま時点で見えていないことを整理すると右の図表のようにまとめることができます。
上の点線で囲まれたところが、見えていることで4つのギャップがから問題点や観察した事実として認識できます。

一方、下はの点線で囲まれた部分が、いま時点では見えていないことになります。見えていないことは、いま時点では事実確認が出来ていない事なので仮説となります。1つは確認する上での問いであり、もう1つは、それらの問いから思考していく論点となります。


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