問題解決の基本手順

問題解決の基本的な手順

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 問題解決のプロセスは、どのような問題の解決でもほぼ同じ手順を取ります。基本となるのは、皆さんがよくご存じのPDCAの手順になります。

 とはいえ、次で説明するように、PDCAは概念としてはわかりやすいのですが、P(Plan:計画策定)が重要な割にPだけで示されているため、どう進めていいか手順としては不親切な面があります。 
 また、問題の種類によって力の入れ所が違ったり、場合によってはスキップしてよい作業があります。

 さらに、参考にする書籍やテキストによって、プロセスの書き方や表現が違ったりします。こうした違いは、武術の流儀のようなもので、言葉を言い換えていたり、視点が異なるために違うものに見えることがあります。

 プロセスの違いを、以下でいくつか説明しています。興味のある方はそちらも参照してください。
 
ここでは、大きなステップを以下の5つで定義しています。

 ①問題認識
 ②課題・解決策の決定
 ③目標・計画の具体化
 ④実行
 ⑤振返り(結果の評価)







PDCAと代表的な問題解決手順の比較

PDCAの各手順(ステップ)を代表的な手順と比較したものが次の図表となります。

 もっともよく知られている問題解決の手順はPDCAです。ISO9000のような品質関係の規格でも実施を推奨しています。
しかし、PDCAはPの部分がすごく重い割にあまりに簡単に示され過ぎている印象があります。代表的な問題解決の手順と比較していますが、ご覧のようにPの部分がいくつかの手順に分解されて設定されていることが分かります。

 たとえば、問題解決型と呼ばれる手順を見ると、Pの部分が、
 ①問題の選定
 ②現状の把握
 ③目標の設定
 ④要因の解析
 ⑤対策の検討
 と5つの手順に分解されています。他も表現や分解の位置が異なりますが、2つ以上の手順に分解されています。一方、DCAの部分はだいたい一致しています。

 格言に「段取り8分」とあるように、Pの部分がしっかりとやられていれば、結果はついてくるといわれています。

 実際、PDCAがうまく回せないと相談にくるプロジェクトリーダーや初級管理者の話を聞くと計画の中身が貧弱で基本的な要件が不足していることがほとんどでした。
 こうした点は、私もリーダーになりたての頃、そうであったと思います。そもそも、現状調査もろくに出来ていないのに目標を立てろだとか、実行計画を立てろと言われて、「書けない」と反目したことがありました。当時の自分には、計画の重要性や手順がよくわかっていなかったのだと反省しています。

 一方、以前の日本全体が成長期で計画がいい加減でも結果がまずまず出せた時代と今は異なっています。不確実性の高い現代社会ではスピード感を持って計画を立てる重要性が高まっています。また、AI技術やインターネットの発達、データベースの充実で基本的な情報が簡単に手に入れられます。こうした変化を取り入れ従来教えられてきた手順を尊重しながら、情報の海におぼれないようにしながら、効率的に計画を立てることを学んで取り組んでいくことが求められています。


未経験な問題は、P-DCAで回す

英語学習イメージ

「未経験な問題」は、基本となるP-DCAの順に回す

 PDCAサイクルとは、以下のマネジメントサイクルを回すことです。

   Plan :計画を立てる
   Do  :実行する
   Check :評価する
   Action:改善する

 このマネジメントサイクルの基本は、P-DCAの順に回すことです。 特に、あなたが経験したことのない問題や課題に遭遇した場合は、まずは、どのようにその問題や課題に対応するのかを仮にでも良いので計画を立てることから始めます。

 また、所属する組織が計画設定段階ではこの進め方が適しています。



経験済みな問題は、D-CAPで回す

「経験済みな問題」は、D-CAP(Dキャップ)の順に回す

 あなたが経験済みの問題で解決手順を知っていて直感の働く問題は図表のように、D-CAPとDoの実行から始めます。

 いつもPDCAの順番で進める必要はありません。


 D-CAPの順に回す問題は、問題の種類でいうと、直面する問題、あるいは、発生型の問題といったすでに問題が顕在化している問題に適しています。

 その中で、あなたが経験済みで直感の働く問題に有効な手順となります。

 その詳細は、「経験済みな問題への対応」で説明していますのでそちらを参照ください。


(ちなみに、D-CAPはDキャップと読みます。Dカップ!ではないですよ。気をつけてください)

PDCAはいろいろなスタートがある

 上で説明した以外の作業からスタートする形があります。


 CAP-D:評価からスタートするこのパターンは仮設検証型と相性が良いのではないかと私は考えています。

 詳細は、「ゴールの見えない開発」で詳細をご確認ください。
(C-APDは、CAP-Dとすると、キャップDと呼びやすくなります)

 AP-DC:改善案をまず考えるこのパターンは、探索型の問題に向いていると私は考えています。将来の姿がぼんやりと見えていてやりたいこともだいたいわかっているときはこうした進め方が適しています。(AP-DCは、アップDCと呼びます)

 多くの解説書は、PDCAサイクルをPDCAの順でしか説明しておらず、手順が決まっているように誤解されている懸念があります。

 しかし、実際の現場では問題の種類やあなたの経験度のレベルによって、スタートする作業の順場はいろいろに変化するのです。


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