想定外と変化点

想定内と想定外(変化点を考える前提)

一日の生活イメージ

 問題を考える上で認識しておきたいのが、想定の範囲です。

 製品・サービスなどがどのような点を考えて作られたのかを知っておくことが大切です。どこまでが想定されていて(想定内)、想定されていないことは何か(想定外)を知ることで、変化点を確認する前提を得ることが出来ます。

 想定するとは、製品やサービスを設計する上で、考える範囲を決めて制約条件を設定(仮定)することを言います。

 


考える範囲(思考の制約条件)

製品の設計では、保証の範囲から設計条件を決める。それが想定の範囲となり、変化点のベースとなります。

体験学習イメージ

 たとえば、スマートホンでもっとも売れているiPhoneの動作環境の想定の範囲(仕様)を見ると、動作温度 0℃~35℃、相対湿度5%~95%と書いてあります。つまり、この製品は35℃以上では動作を保証していないことになります。これは、実生活において現実的でない温度は想定(保証)しないことで、製品開発の考えなければならない範囲を減らし、研究費を無制限に拡大しないようにするためです。この保証の範囲が、考える範囲を決める前提となります。

実際の製品は、35℃以上でも動作します。それは、保証の範囲からある割合で拡大した設計条件を設定し制約条件とすることによるものです。
 ここでは、動作環境の仕様として温度と湿度だけで示しました。しかし、たとえばスマートホンの設計の現場では、電波送受信の設計条件、アプリが動作する設計条件、イヤホンや外部電源、パソコンとの信号の受け渡しの設計条件など多くの設計条件が前提として規定されます。
 このようにスマートホンであれば、こうした設計条件を製品仕様書などと言って作成しています。多くのことを検討しなければならないので、数100ページに及ぶことが一般的です。

 また、ここでは製品仕様を例に説明しましたが、製品を作る上では、製造するための製造仕様書、製品が正しく動作するかを確認する選別(測定)仕様書、外観などの異常がないかを確認する外観検査仕様書など多くの仕様と呼ばれる想定がされています。

 これらが変化点を考える前提となるものです。

変化点

 変化点を考える前提は、大きくは3つになります。

 ・顧客の視点(どのように使われているか使用条件)
 ・設計条件(どのような設計前提を持っているか)
 ・製造条件(どのような条件で作られたか)

 顧客の視点では、製品やサービスがどのような使用環境で使われているか、継続して使われているお客様の場合は、その使用環境に変化していることはないかを確認します。多くの例では、問題発生時点では明確になっていないので、初期状態ではある仮定を立てることになります。実行段階(Do)では、その仮定を確認していくことになります。

 設計条件では、構造、電気、ソフト、材料などの要因について、想定外のことが起きたのか、想定内なのかを判断することになります。そのため、顧客の視点がはっきりしないと明確にならないこともあります。ここでも、経験を元にある仮定をしてその検証をしていくことになります。

 製造条件は、人、設備、材料、方法の4つから変化点を確認します。4Mなどとも呼ばれこの視点は製造条件変更の管理項目になっていることが一般的なのでご存知の方も多いと思います。
 不具合の発生した製品の製造履歴を前後含めて調べ、4Mにかかわる変化点がないかを確認します。
 履歴管理はお客様の要望できちんと管理することを求められているので、自分の席にいても簡単に調べることができるケースが多いので、まずはこうした点から調査をしていくことになります。



このエントリーをはてなブックマークに追加