未経験な問題

あなたが未経験な問題とは

一日の生活イメージ

 あなたが取り組む問題を改めて確認しましょう。
大きく分けると以下の3つになります。

①あなたが経験済みの問題で解決手順を知っている問題
②世の中には解決手順が存在する問題
③世の中に解決の手順が見つかっていない問題
 
 このうち、②と③があなたが未経験な問題になります。

 ②世の中(職場の上司や同僚なども含めて)には解決手順が存在するが、あなたは解決手順を知らず、経験していない問題


 ③あなたも世の中のだれもが解決手順をみつけていない問題


もちろん、③は解決できたら発明レベル、新発見の問題です。あなたが学会や技術誌で発表でききたり、特許出願ができるような難度が高い問題になります。取り組むならそれなりの覚悟が必要です。

 また、②の問題は2つに分かれ、手順を知るだけで取り組める問題と、手順を学んだ上に訓練(経験)を踏まないとできない問題に分かれます。この差は、あなたの経験値のレベルによって生まれるものです。

 こうして未経験な問題のレベルとあなたの経験値のレベルによって取り組む解決手順は異なります。


未経験な問題の取組み方

「未経験な問題」は、基本となるP-DCAの順に回す

体験学習イメージ

 問題解決プロセスのページでも同様の説明をしていますが、
「未経験な問題」は問題解決の基本となるP-DCAの手順に沿って取組むことになります。

 PDCAサイクルとは、以下のマネジメントサイクルを回すことです。   Plan :計画を立てる
   Do  :実行する
   Check :評価する
   Action:改善する

 あなたが経験したことのない問題や課題に遭遇した場合は、まずは、どのようにその問題や課題に対応するのかを仮にでも良いので計画を立てることから始めます。
また、所属する組織が計画設定段階ではこの進め方が適しています。


 とはいえ、あなたの経験値が高くやり方を知らないだけの問題が多いのも事実です。そうした問題については、解決のプロセスを知るだけであなたは解決できる可能性があります。
 現代はインターネットの普及で膨大な知識の泉を検索することが可能になりました。また、ネットを介して質問をすると解決策を有識者が答えてくれるサイトも多くあります。そうした場を活用することであなたは容易に解決のプロセスを見つけることができます。

 右の図はジョハリの窓風にあなたと他の人たち(世の中)の解決プロセスという知識の状態を4つに分けたものです。
ここで、あなたは解決策を知らないが、他の人は解決策を知っている問題を見てください。

 たとえば、あなたがいろいろな料理をしたことがあり、料理の経験値が高いとしましょう。料理番組を見ていて「おいしそうな料理」と思い作りたいと思ったものは、その料理のレシピを入手(知り)さえ知れば作れるはずです。あなたはさっそくネットでそのレシピを手に入れて料理作りの準備を始めることでしょう。

 これは、p-DCAサイクルでいうと、Pというプロセスを世の中のデータから入手してすばやく完了して、Dの料理準備という実行のステップに「ささっ」と移ることになります。このように未経験な問題でもあなたの経験値が高ければ、P-DCAのサイクルは、スモールなpからスタートするクイックなp-DCAを回せることになります。

 いろいろなシーンで書いていますが、ネットとAI時代の問題解決の進め方の基本は、環境の力を最大限に借りて自分でやらなくてよいステップはできるだけ楽をしてスピード重視で取り組むことを目指すべきです。

未経験でかつ経験値が不足している取組み方

英語学習イメージ

世の中に存在する解決プロセスを学びながら、
経験も積みながら5合目から解決を目指す

 では、未経験な問題で経験値も高くない問題にはどう取組むのがよいでしょうか?

 一言でいえば、試行錯誤しながら問題解決を目指すことになります。身のふたもないような言葉ですみません。しかし、その進め方には大切なポイントがあります。
 富士山は「5合目」から登れです。

 問題解決のプロセスは、よく山登りにたとえられます。基本的なルートがあって、その道順に沿って山頂を目指す様子が似ているからかもしれません。
 とくに、「富士山は5合目から登れ」とコンサルタントの方はいったりします。ふもとからではなく、5合目までは車で登ってそこから6合目、7合目と進んで山頂にといった感じです。

 なぜ、5合目から登るのでしょう。富士山の場合は五合目から登ると往復がおよそ6時間くらいだそうです。1日で往復できる時間になっています。ビジネスは仕事を効率的に進めることが求められます。そのことは、問題解決にも求められます。できるだけ、ムダを省いて合理的に希望の期限までに早く解決してほしいわけです。
 そのため、世の中の解決プロセスを活用することで、基本的な問題解決のステップ(手順)を出きるだけ省略して進むことができて合理的に問題解決ができるからです。

 ベテランはそうした見かけ上手順を踏んでいないように見えます。しかし、過去の経験の中でそうしたステップを踏んだ経験則が蓄積されていて、思考検討の中できちんと手順を踏んでいると言われます。

まずは、この問題のどこが山の5号目なのかを調べて計画のPから回すP-DCAを実践していくことになります。


 仕事の場面でもベテランと初心者では、解決のスピードや完成度がまったく違う場面をよく目にします。経験の差が、解決できる割合を左右します。

 さきほどの②の「世の中には解決手順が存在する問題」では、知れば解決手順を踏める問題と、知ったうえで訓練が必要な問題があると言いました。
 こうした知ってわかる知識を「ツボ」といいます。「ツボ」は伝えることが出来る知識です。ゲームの勝つ方法や、数学の公式の解法手順などはまさにこの「ツボ」といえます。しかし、経験値を高めるのは試行錯誤し体で覚えるしかないものです。これを「コツ」と言います。

おまけの話 「ツボとコツ」

 テレビゲームをしたことのある人はよくわかると思いますが、RPG(ロールプレイングゲーム)型のゲームではダンジョン(戦う場)に入って出て来る多くの敵と戦います。戦い初めは相手も弱いのでなんとかをやっつけるわけですが、終盤になると超強敵が表れて経験値が不足して、あえなく破れーゲームオーバーとなります。しかし、何度も戦っていると戦い方が分かってきてその最強の敵をやっつけることができるようになります。そうした戦い方の「ノウハウ」はゲームのサイトで公開され、周知されたりもします。一方、経験値自体は実際にゲームをして戦いを繰り返さないと高まらないものでした。

こうした知ってわかるノウハウや知識を「ツボ」といいます。「ツボ」は伝えることが出来る知識です。ゲームの勝つ方法や、数学の公式の解法手順などはまさにこの「ツボ」といえます。しかし、経験値を高めるのは試行錯誤し体で覚えるしかないものです。これを「コツ」と言います。

この「ツボ」は、図の整体(マッサージ)における体の不都合を改善するポイントを「ツボ」と呼ぶのと同じで知ればわかります。

 一方、「コツ」は知っただけでは使えない技能的な側面を持っています。数学の公式を「ツボ」といいましたが、実際に使えるようになるには、いろいろな問題を解いてその解き方を身体(頭)に覚えさせなければなりません。学校の授業はこうした「コツ」を習得する場になっています。整体のような技能の「コツ」も同様で、押すコツの1つに「無駄な力を抜いて、深く入れる」というのがありますが、それを会得するには多くの人を実際に押して効果的な方法を身に付けていくしかありません。このように「コツ」は訓練をして身につけていくものといえます。


 コンサルタントの世界では、この「ツボ」と「コツ」の身に着け方には格言があります。


 「まずはツボ(ポイント・急所)、つぎにコツ(テクニック・要領)。反対はだめコツツボ(骨壷)でナンマイダーになる」
 

私たちは、普段「コツ」を求めがちです。早く結果を出したいなら順番に気をつけたい所です。


 もう1つどうしても書いておきたいことがあるのでお付き合いください。もう20年近く前に読んだ忘れられない記事のことです。


 あるアナウンサー(以下 A)と京都のお坊さんの話し


A  「宗教には形式的なことが沢山あるけれどそれをどう思うか?」
坊さん「天才は形式的なことを除いても物事を理解できるけれど
    私のような凡人には形から入るのがいちばん理解しやすい」


 知識だけでは使えない。体験だけでは条件が変わると対応できないものです。型をしっかりと訓練して出来る人とかベテランと呼ばれたいものです。(いつか「守破離」のことも書ければと思っています。

次へ(品質目標へ)


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